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ハロゲン化物消火設備

ハロゲン化物消火設備とは

ガス系消火設備の内、消火薬剤にハロンを使用するものをハロゲン化物消火設備と称しています。

ハロゲン化物消火設備の設置対象物及び構成等は、不活性ガス消火設備と同様ですが、消火原理は、燃焼の連鎖反応を抑制する負触媒効果によるもので、消火剤には、ハロン1301、1211及び2402の他、2001年にオゾン層を破壊しない2種類の消火剤(HFC-23、HFC-227ea)が追加されました。

もともと航空機搭載用として開発されたものであり、重量容積が小さくても単位容積当たりの消火力が大きい為、油火災に使用されるほか、耐電性・耐金属腐食性が大きいことから、通電中の電気機器や電算機にも使用されます。

また、揮発性も大きく、放射後に汚損を残さないことから、図書、重要美術品等の火災にも適応します。

ハロン1301、1211及び2402については、オゾン層破壊のため1994年から生産は全廃されました。同年「ハロンバンク推進協議会(現:消防環境ネットワーク)」が設立され、既生産済みのハロンをデータベース化し、不要となったハロンは積極的に回収することにより、みだりに大気へ放出されることが抑制されています。

また、優れた消火性能を有するハロンは、既設設備へ再利用されていると共に、ハロン1301については、クリティカルユース(必要最小限の使用)と判断された部分への新設が認められています。

ハロゲン化物消火設備作動の流れ

不活性ガス消火設備と同様の流れです。

ハロゲン化物消火設備の系統図

不活性ガス消火設備と同様です。使用する消火剤が、ハロゲン化物か否かの違いです。

蓄圧式のハロゲン化物消火設備は二酸化炭素消火設備と類似していますが、加圧式のものは加圧用ガス容器、圧力調整装置等が構成要素として追加されます。

消火剤の種類

ハロゲン化物消火設備の消火薬剤は、薬剤の有する蒸気圧と加圧源のガスを配管又はホースを通して、噴射ヘッド又はノズルから放射して、空気の供給を遮断したり、酸素濃度を低下させたりする事により燃焼を停止させる効果の他、ハロゲン化物薬剤に含まれる、ハロゲン元素が有する燃焼反応の抑制作用(負触媒効果)を利用するものです。

ハロゲン化物消火設備の抑制作用とはハロゲン化物の熱分解によって生成したハロゲン原子が炭化水素などの燃料から発生した水素と反応してハロゲン酸になり、このハロゲン酸はさらに活性な水酸基と反応してその活性を奪い、燃焼の連鎖反応を止める作用のことです。この結果ハロゲン原子は再生されるので、再び元に戻って反応を繰り返し、燃焼体から活性なH、OHを取り除き、燃焼が終わるまでこの反応サイクルが続き消火されます。

薬剤名称 特徴
ハロン1301
ブロモトリフルオロメタン:一臭化三ふっ化メタン
生ガスの毒性が少なく防護区域の完全密閉の必要は少なくてすみます。
ハロン1211
ブロモクロロジフロロメタン:一臭化一塩化二ふっ化メタン
無色透明の気体若しくは液体で、やや臭気があり、火熱に対すると分解物質を生成し、強い刺激臭を発します。
ハロン2402
ジブロモテトラフルオロエタン:二臭化四ふっ化エタン
無色透明の気体若しくは液体で、やや臭気があり、火熱に対すると分解物質を生成し、強い刺激臭を発します。
HFC−227ea
ヘプタフルオロプロパン
オゾン層を破壊しない消火剤として2001年に追加されました。
HFC−23
トリフルオロメタン:フルオロホルム
オゾン層を破壊しない消火剤として2001年に追加されました。

消火剤の放出・起動方式

ガスの種類 放出方式 起動方式
ハロン1301・ハロン1211・ハロン2402 全域放出方式・局所放出方式・移動式 手動式又は自動式
HFC-23・ HFC-227ea 全域放出方式 自動起動方式

 


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