防火対象物点検報告業務の受託
防火対象物点検報告制度とは
平成13年9月に発生した新宿区歌舞伎町ビル火災等を受け、消防法が大幅に改正され、「防火対象物定期点検報告制度」が新設されました。 この制度は、多数の人が出入り等する一定の防火対象物について、所有者賃借人等のうち管理について権限を有する人(各テナント)が、火災予防のために資格者による定期点検を行い、その結果を消防機関へ報告することを義務づけた制度です。 防火管理が適正に行われるよう、防火対象物の関係者による日頃のチェック体制を確保し、「自分の建物は自分で守る」という防火管理に対する自主性を高めることを目的としています。
点検報告が必要とされる防火対象物
表1の用途に使われている部分のある防火対象物では、表2の条件に応じて防火対象物全体で点検報告が義務となります。
表1
2016.4現在
項 | 用 途 | |
(1) |
イ | 劇場、映画館、演芸場又は観覧場 |
ロ | 公会堂又は集会場 | |
(2) |
イ | キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの |
ロ | 遊技場又はダンスホール | |
ハ | 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十ニ号)第ニ条第五項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(ニ並びに(1)項イ、(4)項、(5)項イ及び(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。) その他これに類するものとして総務省令で定めるもの | |
ニ | カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの | |
(3) | イ | 待合、料理店その他これらに類するもの |
ロ | 飲食店 | |
(4) | 百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場 | |
(5) | イ | 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの |
(6) | イ |
⑴ 次のいずれにも該当する病院(火災発生時の延焼を抑制するための消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるものを除く。) |
ロ | ⑴ 老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第一項に規定する要介護状態区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な要介護者」という。)を主として入居させるものに限る。)、有料老人ホーム(避難が困難な要介護者を主として入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第四項に規定する老人短期入所事業を行う施設、同条第五項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(避難が困難な要介護者を主として宿泊させるものに限る。)、同条第六項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの ⑵ 救護施設 ⑶ 乳児院 ⑷ 障害児入所施設 ⑸ 障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第四条第一項に規定する障害者又は同条第二項に規定する障害児であって、同条第四項に規定する障害支援区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な障害者等」という。)を主として入所させるものに限る。)又は同法第五条第八項に規定する短期入所若しくは同条第十五項に規定する共同生活援助を行う施設(避難が困難な障害者等を主として入所させるものに限る。ハ⑸において「短期入所等施設」という。) |
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ハ |
⑴ 老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム(ロ⑴に掲げるものを除く。)、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(ロ⑴に掲げるものを除く。)、老人福祉法第五条の二第三項に規定する老人デイサービス事業を行う施設、同条第五項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(ロ⑴に掲げるものを除く。)その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの |
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ニ | 幼稚園又は特別支援学校 | |
(9) | イ | 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの |
(16) | イ | 複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの |
(16の2) | 地下街 |
※総務省令で定めるものとは消防法施行規則第5条関係
表2
防火対象物全体の 収容人数 |
点検報告の有無 | |
30人未満 | 点検報告の義務はありません。((6)項ロの用途は10人未満) | |
30人以上300人未満 | 次の1及び2の条件に該当する場合は点検報告が義務となります。
※但し、表1の(6)項ロは10人以上300人未満
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注意1:階段が2つある場合でも、間仕切り等により、1つの階段しか利用できない場合 点検報告の義務があります |
注意2: 階段が1つしかない場合でも、その階段が屋外に設けられている場合 点検報告の義務はありません |
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300人以上 | すべて点検報告の義務があります。 |
資格者による点検
点検は、防火対象物の火災の予防に関し専門的知識を有する防火対象物点検資格者に行わせなければなりません。
- 防火対象物点検資格者は、総務大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習を修了し、免状の交付を受けた者のことです。
- 防火管理者として3年以上の実績経験を有する者などがこの講習を受講することができます。
主な点検項目
点検資格者は、消防法令に定められている次のような項目を点検します。
- 防火管理者を選任しているか
- 消防計画を作成しているか
- 消防計画に基づき防火管理を行っているか
- 避難通路の確認
- 消防法令の基準による消防用設備等が設置されているか否かの確認
点検報告の流れ
特例認定(消防法第8条の2の3)
防火対象物定期点検報告制度の対象となる建物のうち一定期間、消防法令の遵守状況が優良であると、消防機関が認めた建物に対して、一定期間、防火対象物定期点検報告制度に係る点検と報告の義務が免除される(特例が認定される)制度です。
認定要件
消防長又は消防署長は、検査の結果、消防法令の遵守状況が優良な場合、防火対象物定期点検・報告の義務を免除する防火対象物として認定します。
- 管理を開始してから3年以上経過していること。
- 過去3年以内に消防法令違反をしたことによる命令を受けていないこと。
- 過去3年以内に防火対象物点検報告が一年ごとにされていること。
- 防火管理者の選任及び消防計画の作成の届出がされていること。
- 消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施し、あらかじめ消防機関に通報していること。
- 消防用設備等点検報告がされていること。
特例認定の流れ
- 管理権原者が「防火対象物点検報告特例認定申請書」を申請します。
- 消防機関の検査が実施されます。
- 認定要件に適合している場合は、特例認定されます。
認定の失効
- 認定を受けてから3年が経過したとき
※ただし、失効前に新たに認定を受けることにより特例認定を継続することができます。 - 防火対象物の管理について権原を有する者が変わったとき
認定の取消し
消防法令に違反した場合、消防機関から認定を取り消されます。
点検報告をしなかった者には、30万円以下の罰金または拘留、その法人に対しては、30万円以下の罰金が科せられることがあります。
お問い合わせ
一般社団法人東京防災設備保守協会
162-0805 東京都新宿区矢来町81番地の3
☎ 03-5261-4170
保守営業部メンテナンスサービス課
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